白雪姫様と王子様とオモチャ
ずっとそうやっていたかったのに、


なぜかいきなり蛍は私から離れていった。


「待って!」


追いかけようとしても、水が鉛のように重い。


それでも、一生懸命前に進むと


水は沼のように私を下へと落としていく。


青白かった月も消えて、


蛍の光も消えてしまった。


私の体にはドロドロした感触がある。


わたしは沈んでいく。
< 102 / 167 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop