白雪姫様と王子様とオモチャ
「佐藤先生、あなたには2年S組を受け持ってもらいます。」

始業式の挨拶のこととは全く関係はなかった。そういうと、和人に見ていた資料を差し出す。名簿や顔写真などの生徒の情報だ。


コーヒーの香りが鼻をかすむ。周りにはどこかの国のお土産だろうかめずらしいものがある。その珍しいものに気をとられ、返事をする。



「2年B組ですね・・・・・。」



「2年S組だよ。」



低く響くその声はすんなり耳に入ってくる。そして、一瞬時は止まる。


2-S??受け持つのはB組。頭をフル回転させると答えが出た。


「いや、S組までありませんよ。」


冗談で安心させてくれるなんて優しいなぁ。


奏高校は結構偏差値が高く、人気がある。生徒人数も多い。しかし、入試が難しく入るのだけでも一苦労だと聞いた。よって、クラスは1学年7クラス。A~Gまでだ。
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