白雪姫様と王子様とオモチャ
「帰るんだ。」


「やだ。やだやだやだやだやだぁ。」


泣き出す白を助けるものはいない。みんな、白が帰ることを望んでいるみたいだ。僕は、こんな状況に声をかける勇気もなくて、好きな子が泣いているというのに助けてあげられなかった。


黄昏は泣きつく白を横抱きにして教室を出て行った。そして今度は、質問でなくていろいろな言葉が振りあかってきた。


「あれで、わかったでしょ?白はあんたをスキになることはない。隼人が大好きだから。」


中島がそういった。


「でも、付き合ってるんじゃないんだろう?」


僕は少しの希望にかけてみた。確かに白は黄昏がスキなんだろう。なんとなく、行動でわかっていた。けど、付き合ってはないなというのもわかった。特に恋人らしいことはしていなかった。


でも、雰囲気だけは恋人のようだった…。
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