白雪姫様と王子様とオモチャ
「付き合ってないけど、両思いだし。」


田中が言う。周りの生徒たちもそのとおりだと言う声が聞こえてくる。


「あいつらは気づいてないけど、両思い。どっちも想いを伝えてない。勇気がまだだせてねーんだよ。」


香山がそういって立ち上がった。僕の前に立って、見下ろして言った。


「あいつらに、白になんかしたらただじゃおけねーってことわかってるよな。お前の出る幕は最初っからねーんだよ、先生。」


最後のいやみたっぷりの言葉をつけて、クラス全員自分のカバンを持って教室を出て行った。


中島はズイっっと顔を近づけてきた。


整ったきれいな顔だなぁ。さすが芸能人同士の娘。

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