白雪姫様と王子様とオモチャ
「あの…君は???」


いきなり、佐藤和人が声をかけてきた。


そういえば、名乗ってなかったわね。


初めて会ったときは気まぐれで名前を教えなかった。そのことはすっかり忘れて名乗ったものとばかり思っていたから。


「あ…花房白(ハナブサ シラ)です。理知学院の2年です。」


小さく会釈して、ヨロシクオネガイシマスと伝える。用はすんだろうとカバンの中を探そうとするとまだ話は続いていた。


「でも、なんで…


「お前に関係ねーだろ。黙れ。」


佐藤和人の言葉を、隼人の少し低くなった声がさえぎった。その声はとっても私にとっては安らぎを与えてくれて、ちょっとときめいてしまった。


なんか…ずごくかっこいい。惚れた弱みかしら?
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