白雪姫様と王子様とオモチャ
隼人は絶対に譲らないという強い目で言ってきた。


ずるいよ、そんな目じゃ勝ち目なんてないじゃない。


ずるいと同時に寂しくて、悲しい波が押し寄せてきた。感情が溢れ出しそうなのをこらえて、必死で訴えた。周りの人は誰も見方にはついてくれない。


「やだ。絶対やだ。なんで私が帰らなきゃいけないの?やだよ。」


涙を必死で抑えても、感情は止まらなかった。


私…1人ぼっち。仲間はずれなの??


なんども訴えても隼人は許してくれなかった。


「帰るんだ。」


「やだ。やだやだやだやだやだぁ。」


自分が1人だってことを、否定しないのが悲しかった。


隼人に拒絶されてるのが、とてつもなく苦しかった。
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