白雪姫様と王子様とオモチャ
私は、よく分からない浮遊感で教室を出て行った。みんなが誰も止めてはくれなかった。


のどの奥に鉛が詰まった感じがして息ができなくてどうすることもできなくなった。


「白、泣き止め。迎え呼ぶから。」


隼人の言葉を理解してないまま私は首を横にふった。隼人はその場で腰をおろして、私を抱きしめてくれた。


それが逆に切なくなって、隼人の上着を握り締めた。そして、やっとの思いでだした言葉…


「いらないなんて言わないでぇ…」


隼人はさらにぎゅっと抱きしめてくれて、耳元で囁いた。
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