もう、泣くことのない君へ。
笑えないわたし。
昔は笑えてた。

表情をつくることができた。

友達もいた。
それなりに彼氏もいた。

けど、中二の夏。
それはいっきに崩れ去った。

表情が作れなくなった。
彼氏に裏切られたことと、ある事件がきっかけで。

友達もまわりから消えた。
親にも距離を置かれた。

だから、遠く離れたこの土地で一人暮らしをすることにした。

親という肩書きだけの人から、お金だけは送られてくる。

多分、この土地でもやり直すことはできない。

分かり切ってることだった。
でも、私は、そんな気持ちと、成功するんじゃないかって
バカげた気持ちを持ってた。

だけど、律人、零、翔、哀、潤斗に出会ったことで。

私の中の壁が崩れてった――――。
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