俺様ダーリン
「あら?そんなこと?」

「そんなこと?ってさ…十分重要なことでしょ!」


それもそのはず。

父親はごく普通のサラリーマンで、母親は専業主婦。

お金に困ってるわけじゃないけど、決して裕福とは言えない。

そんなうちの家庭に桜ヶ丘学園に入学するお金など、あるはずがない。


「心配しなくていいわよー?実はね、当たったのよ」

「…何が?」



「宝くじの3億円っ」


…はい?…



「今なんて?」

「宝くじで3億円当たったから、お金はあるわよ~」





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──────
───

結局あの後、丸め込まれて…
今に至る。


あーもう!

ここまで来たら腹くくるしかないでしょ!


世梨は、吹っ切れた様子で正門をくぐっていった。
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