愛してよダーリン




6月の下旬で暖かいから、七分丈の上に花柄のスカートを履いた。



待ち合わせの時間になり、あたしは急いで家を出た。



待ち合わせっていっても、家が隣だから待ち合わせも何もない。



だけど、家のドアを開けると…………



あたしの家の前には樹が立っていて、その姿を見たら胸がキュンってした。



「おせぇよ。何分待たせんだよ」


「えっ、あたし遅かった?」



ちゃんと時間通りに出たつもりだったんだけどなぁ。



けど、携帯の時間を見てみると、待ち合わせの時間より10分遅れていた。



「支度が長いんだよ」


「しょうがないじゃん。女の子だから支度の時間はいっぱいかかるんだよ」


「それだけじゃねぇだろ」



それだけじゃねぇだろ、ってどういう意味よ。



樹は人をバカにしたような目であたしを見て、



「お前が、のろまなんだよ」



そう言いやがった。



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