愛してよダーリン




電車で1時間もかからないで行ける近場の遊園地を選んだあたしたち。



遊園地のチケットを買う場所にしばらく並んで、やっとあたしたちの順番が来た。



「学生2名様分でよろしいでしょうか?」


「はい」



係りのお姉さんにそう言われて、あたしの分のチケット代を払おうとカバンから財布を出そうとした。



「俺が払う」



すると樹の手によって財布を出すのを止められて、結局樹にチケット代を払ってもらった。



「チケット代、払ったのに」


「俺がいきなり誘ったんだし、俺が払って当たり前だから」



その後もあたしは何度かチケット代の話をしたけど、樹は『うるせぇ』しか言わないから、最終的には諦めた。



バイトしてないんだから、余計に払ってくれちゃうと気を遣っちゃう。



けど今日の樹は寛大な心を持ってるみたいだから、大人しく払ってもらうことにした。



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