愛してよダーリン
あたしが乗りたいというものに樹は全部付き合ってくれて、なんとお昼代まで払ってくれた。
今までの樹から考えたらありえないくらい優しくて、中に他の人でも入ってるんじゃないかって思ったりもした。
まぁそんなことはありえないことで、
やっぱりいつまでも“優しい樹”じゃなかった。
ほとんどの乗り物を乗り終えた頃、次に何を乗るか考えていると、樹のあたしの手を握る力が強くなった気がした。
……ん?
なんだろ、って思い、周りをキョロキョロするけど、周りには何もない。
すると、樹はあるものに指を差しながら、一言言った。
「次あれ行こうぜ」
樹の指差す先には………
【最恐に怖いお化け屋敷】と看板に描かれた、いわゆるお化け屋敷だった。
「今まで奈緒につき合ってやったんだから、別にいいよな?」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべる樹。
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