愛してよダーリン
「まさか自分の乗りたいもの乗ったら終わり、なんて思ってねぇよなぁ?」
「…っ」
「彼氏に散々、苦手なジェットコースター乗らせといてねぇよなぁ?」
そ、そういえば樹はジェットコースターが苦手だったんだっけ…。
すっかり忘れてた。
ヤバい、どうしよう。
「明日から離れる彼氏に、苦手なもの乗らせといて、それはねぇよなぁ?」
「…っ」
「な?奈緒ちゃん」
「…っ!」
奈緒ちゃんっ!?
なんか樹の“奈緒ちゃん”は、言われると胸がキュンってする。
さすがに苦手なジェットコースターたくさん乗ってもらっちゃったんだから、ここはあたしも我慢するしかない。
「いーよ、行っても」
だって、明日からはしばらく会えないんだもん。
それに樹は試験に向けて頑張るんだし、ここであたしばっかり良い思いできない。
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