愛してよダーリン




「まさか自分の乗りたいもの乗ったら終わり、なんて思ってねぇよなぁ?」


「…っ」


「彼氏に散々、苦手なジェットコースター乗らせといてねぇよなぁ?」



そ、そういえば樹はジェットコースターが苦手だったんだっけ…。



すっかり忘れてた。

ヤバい、どうしよう。



「明日から離れる彼氏に、苦手なもの乗らせといて、それはねぇよなぁ?」


「…っ」


「な?奈緒ちゃん」


「…っ!」



奈緒ちゃんっ!?



なんか樹の“奈緒ちゃん”は、言われると胸がキュンってする。



さすがに苦手なジェットコースターたくさん乗ってもらっちゃったんだから、ここはあたしも我慢するしかない。



「いーよ、行っても」



だって、明日からはしばらく会えないんだもん。



それに樹は試験に向けて頑張るんだし、ここであたしばっかり良い思いできない。



.
< 113 / 426 >

この作品をシェア

pagetop