愛してよダーリン
さりげない紫音の優しさが、今のあたしにはとても嬉しかったし楽になれた。
きっと今日はこのまま学校が終わって家に帰ってたら、紫音の言う通り余計なことを考えちゃってたと思う。
そう考えると、今日こうやってスタジオに呼んでもらえて、撮影風景を初めて見せてもらえるから、余計なことを考えなくて済む。
あたしはマイナスなことを、余計なことを考えちゃうくせがあって……
紫音はそれを知ってるからこそ、今日呼んでくれたんだと思う。
撮影用の服に着替えた紫音が再びスタジオに入ってきた。
周りのスタッフさんたちに挨拶をし、撮影する場所らしきところに立ち、
するとカメラマンの人が、シャッターを押し始めた。
初めて見る光景だから、あたしはしばらく瞬きもあまりせず、ジーッと真剣に見ていた。
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