愛してよダーリン
いくら沙絢ちゃんが有名でも、さすがに男の樹が知ってるはずはないか、と思ってたら。
『あー…、あのモデル?』
樹はまさか知ってた。
「え、知ってたの?」
『周りの女たちがよく言ってた』
あぁ、そういうことね。
樹たちのグループにはいつもと言っていいほど女の子たちがいたから、きっとその子たちが言ってたんだと思う。
昔から樹の周りには必ずと言っていいほど女の子がいて、あたしはそれをずっと見てきた。
もちろんずっと嫌だったけど、そんなの言えるはずもなく我慢してきた。
まぁ付き合ってたわけじゃないし、あたしがどうこう言える立場じゃなかったんだけど、
でも好きだったから、ヤキモチを妬いちゃうのは女心だったんだと思う。
『で、その沙絢ってやつがどうしたんだよ』
「あ、そうそう!その沙絢ちゃんもスタジオにいてね?アドレス交換しちゃったの!」
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