愛してよダーリン




沙絢ちゃんの話になると、さっきまでの興奮をまた思い出して、あたしはそれから数十分ずっと沙絢ちゃんの話をしてた。




落ち着きを取り戻し、話が終わった頃、樹は『よかったじゃん』と優しく言ってくれた。




明日は試験で勉強しなきゃいけないはずなのに、あたしの話を聞いててくれた。




いつもは冷たいのに、隠れた本当の優しさがこういうときに分かる。





「明日試験だから早く寝た方がいいんじゃない?」


『あぁ、じゃあ寝るかな』


「うん。じゃあ、頑張ってね」


『あぁ。おやすみ』


「おやすみ」




そして、電話を切った。




電話を切った後には……



試験頑張ってね。
合格しますように。

そんな思いと、



離れないで。
遠くに行かないで。

そんな思いが交互に溢れてきた。




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