愛してよダーリン
「樹から電話来た?!何だって?!合格したって?!」
大きな声でそう言いながら部屋に入ってきた扉を開けた張本人は、あたしのお母さんだった。
「ちょ、お母さん突然入ってこないでよ。びっくりするじゃん」
「ごめんごめん!だって気になってさぁー。樹どうなったんだろって」
「まだ電話来てないよ」
「まだ来てないの?!」
あたしと紫音と樹は小さい頃から一緒で、いつも3人のうちの家のどこかで遊んでた。
だから3人の親はあたしたちのことを自分の子どものように思ってくれてるようで、
普通に小学校の時なんかは、自分の家じゃなくても3人の家のどこかに帰れば、まるで家族のように夜ご飯を食べたりしていた。
だからあたしのお母さんも、樹が引っ越しちゃうのを聞いて、まるで自分の子どものように心配している。
あたしと樹が付き合ったことを報告した時も、『どうせ樹とくっつくと思ってたよ』とあっさりしていた。
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