愛してよダーリン




突然のことに何がなんだか分からず、目を開いたままだったあたしに、




「目閉じろよ」




一度唇を離した樹はそう言い、あたしは自然と目を閉じてしまい、するとまた樹の唇が重なった。




角度を変えて何度も重なる唇。


ただ触れあうだけのキスじゃない。


愛されてるのが……伝わってくる気がする。




でも息をしていいのか分からなくて、唇が重なってる間はずっと息を止めていた。




だから少し離れるたびに、あたしは新しい空気を吸った。




すると樹はまた唇を離し、『息しろよ』と言うと、また唇が重なった。




そして、今度は唇の間から舌が入ってきたような気がして………。




そこからはあまり記憶がない。



ただ自分の口の中をゆっくり舌が動いてて、あたしは頭がボーッとしてた。




キスが終わったのか唇が離れると、あたしは全ての力が奪われたかのように力が入らなくて、樹の胸にクタッと倒れてしまった。




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