愛してよダーリン
「2組にあの沙絢ちゃんが転校してきたんだって!やばくない?!」
「は?マジで?!え、それマジで本物なの?!」
「本物だったらヤバいよね!見に行かなきゃじゃん!」
「本物なんじゃん?だってあんな可愛いのこの世に2人もいないでしょ!」
大きな声で笑いながらそう言う女の子数人は、あたしたちの教室の前の廊下を通りすぎたらしく、声が聞こえなくなった。
っていうか、どういうこと?
「……ねぇ、今の聞いた?」
「うん」
隣に座る紫音も、どうやら驚いているようだった。
でもそれ以上に驚いているのは千里たちだったみたいで、
「え、え、え?!今のどういうこと?!」
「本当なのかなぁ?!」
「嘘であんなこと言う?!」
「言うわけないよね…」
そりゃそうだよね。
わざわざあんな嘘を言うはずがない。
すると、千里は突然『そうと決まれば!』と声を出し、あたしと紫音を立ち上がらせると。
「2組に行くしかないでしょ!」
と、あたしの手を握り教室を飛び出した。
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