愛してよダーリン




「やるわけねぇだろ」




呆れたようにそう言う樹は、窓側の1番端の席のイスじゃなく机に座った。




だからあたしも、窓側から2列目の樹が座る席の隣の席の机に寄っ掛かった。




「お願い!1回だけだから!今日だけだから!」



手を合わせて再びお願いする。




「つーか、俺じゃなくてもいいだろ」


「だ、ダメ!」


「何でだよ」


「と、とにかくダメなの!一生のお願いだから、モデルやって!」




手を合わせて頭を下げてるから樹の顔は見えない。




でも、樹は呆れた顔をしてるんだってことは予想できる。




そりゃあそうだよね。

いきなりモデルになってって言われたって困るだけだよね。




半分諦めたあたしは合わせた手を下げ、頭を上げると………




「分かった」




樹から驚くべき返事が聞こえた。




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