愛してよダーリン




あたしも杉本さんと初めて会ったとき、最初はあのパワーに戸惑いを隠せずおどおどしてた。




だから樹の気持ちがとても分かる。





この前行った撮影スタジオに車は到着し、あたしたちはスタジオ内へと向かった。




スタジオの中に入りすぐに視界に入ってきたのは、カメラの前に置かれてる赤いソファー。




紫音はすぐに撮影するのか、スタジオに入るなり真っ先に着替え室らしき所に入っていった。




沙絢ちゃんはというと、なんやら偉そうな女の人の元に行き、入り口付近で突っ立ってるあたしと樹の所に偉そうな女の人を連れてきた。




もしかして………編集長さん?




そんなことを思ってると、編集長らしき女の人は綺麗な黒髪を耳にかけると口を開いた。




「君、モデルの経験は?」




その人は明らかに樹を見ていて、樹もあたしも樹に話しかけてるんだと分かった。




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