愛してよダーリン
次の日、朝のホームルームが終わると、沙絢ちゃんはあたしの教室に来た。
「言いにくいんだけど、また樹くんにモデル頼んでくれないかなぁ?」
そしてあたしは、輝きすぎなモデルスマイルでそう言われてしまった。
その時、ふと樹と沙絢ちゃんが楽しそうに撮影してる姿が頭に浮かんだ。
こんな機会は滅多にないんだって分かってる。
これから先こんなチャンスはないんだから、行った方がいいんだって思うけど……、
やっぱり………行ってほしくない。
でも、そんなこと言えない。
だから本音を押し込んで、
「樹に聞いてみるね。だから聞いたら…」
って言ったのに。
「あ、聞いたから大丈夫!お小遣い程度だけど少しお礼代払うって編集長が言ってた、って言ったら渋々オーケーしてくれたの」
沙絢ちゃんにそう言われて、なんだか………ちょっとでも真剣に考えた自分が馬鹿に思えた。
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