愛してよダーリン




いつもなら夜ご飯の時間に寝ていると起こされるのに、今日は何か気づいているのか、起こされなかった。




今日の夜ご飯は唐揚げだったらしく、電子レンジの“チン”という音が鳴って、


いつもご飯を食べるテーブルの上には、湯気がたってる白米とお味噌汁と唐揚げが並べられた。




いつになく、美味しく感じた。




テーブルは4人が座れる物で、お母さんはあたしの向かい側の席に座った。




「美味しい?」



ニコニコしながら真っ直ぐあたしを見ながら、そう聞いてくるお母さん。




「うん。美味しい」


「やっぱり?お母さんも今日の唐揚げは一段と美味しいって思ったの」


「あは、自分で言っちゃう?」




すると、ちょっと無言になり、お母さんはさっきよりも笑顔になった。




え?なに?




「なんだ、笑えるじゃん。ほんと心配しちゃったよー」




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