愛してよダーリン




「遊んでくれるくらいいいでしょ?だって、樹くん以外の男の子みんな知らないから不安なの」




違うかもしれない。

あたしの勘違いかもしれない。




でも……もしかしたら。




沙絢ちゃんは樹のことを好きなのかもしれない。




もしそうだとしたら。

沙絢ちゃんが告白したとしたら。

樹は……断る?

断ってくれる?




お願い、樹。

今日だけは行かないで……。




「分かった」



でも、樹の口から聞こえてきたのは、1番聞きたくなかった声だった。




誰も何も分かってない。


何でこんなに、辛い思いをしなきゃいけないんだろう。




そう思えばそう思うほど涙が出てきそうで、樹たちの方に顔を向けてたけど、


泣けるように反対側を向いた。




「え?奈緒ちゃん起きた?」


「いや、寝返りうっただけだろ」




樹の何でもない言葉が………とても冷たく感じ、胸に突き刺さる。




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