愛してよダーリン
「紫音ちゃんも来てくれたんだ?俺さぁ、めっちゃ紫音ちゃんタイプなんだよねー」
「…はぁ」
カラオケ屋に入ってから5分もしないうちに、まるで合コンのように1人の男が隣に座ってきた。
顔はなんとなく見たことはあるけど、男には興味がないから名前は当然覚えてない。
沙絢はというと、3人くらいの男に話しかけられていて、けどしっかり目の前に座る樹とも話していた。
沙絢が今日、これから何をしようとしてるのか予想がつく。
今日の遊びもオッケーしたのも、樹と2人きりになれるチャンスがあるからだと思う。
……なんて、いろいろ考えてると。
「ねぇ樹くん。トイレの場所教えてくれる?」
沙絢が樹を連れ出した。
嫌な予感がして、トイレと言って出ていった沙絢とついていった樹の後を、あたしは『ちょっと出てくる』と言って部屋を出た。
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