愛してよダーリン
「お前のこと、そういう風に見れない」
樹は抱きつく沙絢をゆっくり離した。
「何で?奈緒ちゃんがいるから?だったらあたしの方が絶対に樹くんに釣り合えるよ!」
「……何言ってんの?」
「え?」
「釣り合うとか釣り合わねぇとか、そういうの1番嫌いなんだけど」
「え、あ…」
「まぁ、奈緒と付き合ってなかったとしても、お前とは付き合わねぇと思う」
「…っ」
「わりぃな。他の男探して」
唖然とする沙絢を置いて、樹はあたしの方へと歩いてくる。
あたしがいたことに気づいてたのか気づいてないのか知らないけど、あたしと目が合っても驚きもしなかった。
「あいつらに帰るって言っといて」
「ねぇ、樹」
「あ?」
沙絢のことはもう樹によってけじめをつけてもらったからいいものの。
あたしは樹にもムカついてる。
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