愛してよダーリン




あたしは男たちがノリノリの曲で盛り上がってる部屋へと戻った。




「あ、紫音ちゃん!やっと帰ってきたー!次、歌う?」


「ううん、あたしはいーや。ていうか、樹用事あるから先帰るって」


「えー、紫音ちゃん歌わないのー?え、てか、樹のやつ帰ったの?」


「あれじゃね?ほら、彼女。奈緒ちゃんだっけ?奈緒ちゃんの家にでも行ったんだろ」


「まじかよ。じゃあ今頃奈緒ちゃんとイチャイチャしてんじゃね?」




この男たちは彼女がいないらしく、しばらくの間愚痴を言ってて。




すると、何もなかったかのように沙絢が部屋に戻ってきた。




トイレで泣いてたのかと思ったけど、さすが沙絢だった。


泣いた跡どころか、清々した顔をしていた。




まぁ考えてみればそりゃそうだよね。

あの“顔が良ければ”誰でも狙う沙絢だもんね。



傷つくはずがない。




でも、樹にフラれてプライドが傷ついてイラついてるらしい沙絢に、あたしと残りの男はその後延長2時間カラオケに付き合わされた。




―紫音目線・完―




.
< 234 / 426 >

この作品をシェア

pagetop