愛してよダーリン
あたしは男たちがノリノリの曲で盛り上がってる部屋へと戻った。
「あ、紫音ちゃん!やっと帰ってきたー!次、歌う?」
「ううん、あたしはいーや。ていうか、樹用事あるから先帰るって」
「えー、紫音ちゃん歌わないのー?え、てか、樹のやつ帰ったの?」
「あれじゃね?ほら、彼女。奈緒ちゃんだっけ?奈緒ちゃんの家にでも行ったんだろ」
「まじかよ。じゃあ今頃奈緒ちゃんとイチャイチャしてんじゃね?」
この男たちは彼女がいないらしく、しばらくの間愚痴を言ってて。
すると、何もなかったかのように沙絢が部屋に戻ってきた。
トイレで泣いてたのかと思ったけど、さすが沙絢だった。
泣いた跡どころか、清々した顔をしていた。
まぁ考えてみればそりゃそうだよね。
あの“顔が良ければ”誰でも狙う沙絢だもんね。
傷つくはずがない。
でも、樹にフラれてプライドが傷ついてイラついてるらしい沙絢に、あたしと残りの男はその後延長2時間カラオケに付き合わされた。
―紫音目線・完―
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