愛してよダーリン




「………」

「………」




おでこには冷えぴたを貼り、寝てたから髪の毛はボサボサで昨日は熱のせいでお風呂に入ってない。




そんなまだ熱のあるあたしの横には、床にあぐらをかいて座る樹がいる。




せめて……髪の毛くらいはくしでとかしたかった。




「熱は?」


「……まだ、ある」


「そっか」




樹は何を話しに来たんだろう。



もしかして沙絢ちゃんに告白されたの?

別れ話じゃ……ないよね?




こうやって頭で考えてると、どんどん嫌な方向にいっちゃうのが分かってるのに、何でこうやって考えちゃうんだろう。




……ただ、あたしは好きなだけなのに……。




でも、意外にも先にあの話題を出してきたのは樹だった。




「沙絢に告られた」


「…え?」


「断った。モデルの仕事も誘われたけどもうしねぇ」


「……っ」


「気づいてやれなくて、ごめん」




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