愛してよダーリン




横になってるあたしから、安心してか出てきた涙が、枕にそっと染み込んだ気がした。




だって、いつも目を見てあまり話さない樹が、今あたしの目を真っ直ぐ見て話すんだもん。




「似合ってるとか似合ってねぇとか、そんなの関係ねぇだろ」


「……っ」


「俺は、奈緒が好きなんだよ」


「……あたしもっ…」


「ん?」


「樹が……好きっ…」




こうやってお互いの気持ちを確認するだけで、こんなにも安心できてしまう。




今になって、何で早く自分の気持ちを素直に言わなかったんだろうって思う。




けどそれほど恋愛って、


簡単そうで難しいってことなのかもしれない。




「ほんとはね…っ、やだった。沙絢ちゃんと仲良くしながら撮影してるの」


「あぁ」


「ヤキモチ……妬いた」




あたし何こんなことまで正直に話してるんだろ、とか思ってたら顔を上を向かされて………。




.
< 239 / 426 >

この作品をシェア

pagetop