愛してよダーリン




周りの人にどんな目で見られてるか気になって仕方がないから、


前を向いて歩けないため、樹の腕にしがみついて歩くことにした。




「重いんだけど」


「……」


「重いっつってんの」




もちろんしがみついたからあたしの体重が樹にかかってるわけで、


樹は嫌そうな顔をしていた。




「我慢くらいしてくれてもいいじゃん」


「あ?」


「だって恥ずかしくて、前向いて歩けないんだもん」




前向いて歩けないから腕にしがみついてるのが理由だけど、それは理由の半分。




そのまた半分の理由は、くっついてたいから………だったりする。




「だからって体重かけんなよ。歩きにくい」


「む、無理だもん。怒るなら、あの2人を怒ってよね?」


「別に誰も俺たちのことなんか見てねぇよ。だから普通に歩けって」




どんなに粘っても、このくっついてる作戦はどうやらもう潮時らしい。




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