愛してよダーリン
あたしはしがみつくのを止め、再び樹の手を握って前を向いて歩き出した。
周りの人は本当に誰もあたしたちの方を見ていなくて、それからは何も気にすることなく歩いていた。
歩いていると、樹はまるで有名人のように次々と不良やギャルたちに声をかけられていた。
あれだけ夜遊びをしてたら、そりゃあトモダチが増えるに決まってる。
そんな樹のトモダチはみんな金髪だったり、赤髪だったり、カラフルな髪の色の人ばっか。
ギャルはというと、
「ねぇ樹引っ越すのぉ?住所教えてよぉ」
「あたし超寂しいんだけどぉ」
「今度戻ってきたら連絡ちょうだいね」
「明日見送り行こっかぁ?」
意味深なことばかり言ってた。
彼女のあたしが言うのもなんだけど、樹はそこら辺の高校生より断然かっこいいと思う。
性格は若干難ありだけど、だからモテるに間違いない。
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