愛してよダーリン




だって莉加ちゃんは友達と一緒に電車で帰ったはずでしょ?


なのに何でまだこっちにいるはずの樹といるの?



もしかして2人きりだったりするの?



もしそうなら――…。




「…どこにいるの?」


『んーっと……まだ樹の地元にいるよ。っていっても、もう電車に乗るとこなんだけどね』


「これから帰るの…?」




“2人だけで”って聞こうと思ったけど、敢えてそこは聞かなかった。




だって莉加ちゃんだけまだこっちにいたのが不思議だし、


樹も何でこんなときに限って酔っぱらってるのって思う。




樹は知らないのかな。

莉加ちゃんが樹のことを好きだって。




きっと樹のことだから、そういうことには疎(うと)いから気づいてないと思う。




だって逆に気づいてたら、こうやって今みたいに2人だけで帰ったりしない。



樹は自分に好意を持ってるって分かるとめんどくさがるから、2人きりなんてありえない。




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