愛してよダーリン




教室の入り口で、息切れしたため新しい空気を吸って深呼吸していると、


突然あたしの肩に手が置かれた。



………え?



振り返るとそこには数学担当の先生がいて、ニコッとあたしに微笑んだ。



その微笑みが逆に怖くて、あたしは急いで自分の席についた。



イスに座ってようやく呼吸が落ち着いてきたみたいで、さっきの拓海くんのことを思い出した。



樹に聞いてって言っちゃったけど………今頃あたしのアドレス聞いてるのかなぁ。



でも正直……複雑。



あたしは樹が好きで。

けど樹はあたしのことを幼なじみとしか思っていなくて。



拓海くんにあたしのアドレスを教えたら教えたで、地味にショックだったりする。



………なんて、考えてると。



「……木!佐々木!」


「……はいっ!」


「ボーッとするな!お前は学校に何をしに来ている!」



ボーッとしてたからか、先生に注意されてしまった。



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