愛してよダーリン




そこであたしは良いことを考えた。




あたしのことを知りたいって言ってくれてるんだから、あたしのことを教えてあげればいい。




そうすれば満足して解放してくれるはず。

それか“この女面倒くさっ”って思ってくれるかもしれない。




「あたし、奈緒っていうの」


「お、やっと名前言ってくれたかぁ。へー、奈緒ちゃんって言うんだぁ?」


「超奈緒ちゃんって感じ!」




奈緒ちゃんって感じってどういう意味だよって思ったけど、


ここは勢いが大事だと思ったから気にしないことにした。




「1年だっけ?実は俺らとタメなんだよね。今更だけどよろしくね?」


「う、うん。よろしくね。高校は家から近い西高に通ってるの」


「あぁ西高かぁ!あそこヤンキーいっぱいって噂あるけどマジでいっぱいいんの?」




…いや、どのくらいが多いのか分からないから多いか少ないかなんて分かるわけがない。




「まぁ、多いかな」




だけどここは乗り切るために適当に返事をしとくのが1番良い。




.
< 334 / 426 >

この作品をシェア

pagetop