愛してよダーリン




「きゃっ…」




自分で言うのもどうかと思うけど、さすがドジなあたし。


こんなときに机に足を引っかけて転んだ。




「ほら逃げるからー。大丈夫?」




チャラ男1号がニヤニヤしながら手を伸ばしてきたけど、触りたくなくて目をつぶった。




……その時だった。




ガタッと机が動いた音がして、チャラ男2人は音がした方に振り返った。




すると、机が動いた音がした方から『ん…』と寝起きのような声が聞こえた。




えっ。

他にも誰かいるの?




あたしは転んだ状態のまま声がした方を見ると、ムクッと誰かが上半身だけ起こしたのが見えた。




顔は机が邪魔で見えないけど、どうやら髪の毛は金色みたいで、夕日に当たってキラキラしている。




もしチャラ男2人の仲間だったらどうしよう。


今でさえ大ピンチなのに、3人になったらショックすぎて失神しちゃう。




「お前ら、うるせぇんだよ」




だけど、どうやら不機嫌らしいその人は、仲間ではないみたいだった。




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