愛してよダーリン




注意されたあたしは、その日数学担当の先生に目をつけられてしまった。



問題を解くたびにあたしだけが当てられて、勉強が並みのあたしは全部が全部答えられるはずはなく、



最後の方の答えられない問題は『分かりません!』と、元気よく答えた。



そしたら先生に更に怒られてしまった。




授業が終わる合図のチャイムが鳴る。



やっと数学の授業が終わったと思ったら、あたしは何故かクラスの女の子数人に囲まれていた。



え?何々?



あたしはただびっくりすることしかできなくて、すると千里(ちさと)という1人の女の子が声を出した。




「ねぇねぇ奈緒ってさぁ、あの樹くんと仲良いんでしょ?!」


「……え?」


「さっきも渡り廊下で話してたじゃん?どういう関係なのかと思って!」


「どういう関係っていうか………ただの幼なじみだよ?」



あたしは“ただの”って幼なじみの前に付けたのに、


なぜか周りのクラスメイトの女の子数人は『いいなぁー!』と言った。



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