愛してよダーリン




傷口を洗うために洗面所に案内してもらって、水でサッと少しだけ傷口を洗った。




あ、あと絆創膏を貰わなきゃ。




洗い終わったからキッチンに戻ろうと、ちょうど洗面所を出たときだった。




今帰ってきたらしい樹と、ばったり会ってしまった。




目が合ったものの、あたしは樹から目を逸らして、無視してキッチンへと戻った。




樹がそれに対して何か言ってきたわけでもないし、


むしろその後は樹が階段を上る音がしたから、どうやら自分の部屋に戻っちゃったようだった。




樹のお母さんとあたしが夜ご飯の支度をしてる途中でも、まったく降りてくる気配はなかった。




なんか流れでいつの間にか、あたしも夜ご飯を一緒に食べる形になってて。




お母さんに電話でそう伝えると、樹のお母さんによろしく伝えといてと言われた。




ダイニングテーブルへと料理を移して、あたしは気まずいながらも樹の部屋へ樹を呼びに行った。




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