愛してよダーリン




ちょっとすると唇の間から樹の舌が入ってきて、あたしの口の中をゆっくりと動く。




それがあたしには未だに慣れなくて、もう自分がどうなっちゃうんだろうって気持ちになる。




樹にキスされると溶けそうになる。

頭がボーッとして、胸の奥がキュンってなる。




……何が言いたいかっていうと、つまり樹とのキスは何て言ったらいいのか分かんない。




上手く言葉が見つからない。


………でも、好き。




「……んっ…」




ほんとに樹に………好きって言われてるみたい。




あたしが『好きって言って』って言っても、樹が言葉で“好き”って言えるはずない。




だってあの樹だもん。

あのお堅く無口で自分の気持ちを言わない樹だもん。




だから、樹からのキスは“好き”って言われてるってことなのかもしれない。




あたしの腰に樹の反対の腕が回って、腰も更に引き寄せた。




.
< 368 / 426 >

この作品をシェア

pagetop