愛してよダーリン




「つーか、タバコちょうだい」




拓海くんが赤髪にそう言うと、赤髪は何も言わずにタバコを1本渡した。




そりゃそうだよね。

拓海くんも不良グループの中の1人だもんね。

タバコくらい吸うに決まってる。




それからあたしたちは明日学校っていうこともあったから、夜の8時半ごろに解散した。




なぜかあたしの最寄り駅で赤髪も降りて、結局駅まで赤髪とずっと一緒にいた。




「お前ここが地元?」



駅の改札口を出てすぐに赤髪にそう聞かれたから、あたしは答えた。




「うん。赤髪は?」


「…赤髪だぁ?」


「……」




あ、やばい。


つい口が滑って、言ったこともないのに赤髪に赤髪なんて言ってしまった。




恐る恐る赤髪の顔を伺うと、眉間にシワを寄せて鳥肌がたつんじゃないかってくらい睨まれた。




「え、あ、いや、あの……」


「……」


「赤髪っていうのはね?」




怒られると思って、必死に言い訳を考えたけど、思い付かなくて結局何も言えなかった。




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