愛してよダーリン




それからあたしと樹はあたしの家に帰ってきた。




帰ってくる間樹は怒ってるのか、先をスタスタと歩いていってしまった。




だからあたしも行きみたいに無理矢理手を繋ぐことはできなくて、2人離れて歩いてた。




家の中に入ると、まずはリビングで買ったアイスを2人で食べた。




一言も話さず、食べ終わるまで静かな時間が流れた。




だけど、食べ終わって少しすると樹が口を開いた。




「何で黙ってた」




拓海くんに話しかけてたときに比べればそこまで低い声ではないけど、


いつもの声と比べたら十分低い声。




そりゃそうに決まってる。


あたしにだって怒ってるよね。




でもね?




「嫌われるんじゃないかって思ったの。それに、誤解されるんじゃないかって……」




それがあたしのほんとの気持ち。


それだけがあたしの真実だ。




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