愛してよダーリン




誰1人通らない夜の駅。


静かすぎて、たまに通りすぎる電車の音と、あたしたちの声しか聞こえない。




「じゃあ襲うぞ」


「いいよ、襲えばいいじゃん。だってどうせあたしの部屋で寝るんだから………って、えぇぇ?!!」




襲うのはナシ!

それはナシ!




「一緒に寝るんだったら、もう我慢しねぇから。マジで襲うぞ」


「な、ナシ!襲うのはナシ!」


「ナシじゃねぇよ。覚悟できてねぇんなら、簡単に泊まればとか言うな、バカ」


「バカ?!」




今日だけで何回バカと言われたことか。




すると、油断してたあたしは抱きしめてた手の力を緩めてしまって、


呆気なく樹は離れていった。




あたし何やってるんだろ。

樹とする覚悟できてないのに、無責任に泊まればなんて言っちゃって。




ほんと樹の言う通りバカだよね。


今日だけでほんとに自分がバカなんだって思い知らされた。




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