愛してよダーリン
樹が忙しいから全然会えなくて、樹と久しぶりに会ったある日、あたしは思いきって聞いてみた。
「バイト……してるの?」
すると樹は『あぁ』と普通に答えた。
理由を聞くと―――……驚く理由を樹は話した。
「夏休み明け、こっちに戻ってこようと思う」
「え?」
「こっちで独り暮らしするために、今金貯めてる」
まさか………樹がそんなことを考えてるなんて思わなかった。
電話できなくて、会えなくてすごく寂しかったけど。
今その理由を聞いて、その溜まりに溜まった寂しさが一気に消えた。
「いつから……そんなこと考えてたの?」
「引っ越すのが決まったころ」
樹はあたしが思うより何倍も大人で。
何倍もあたしのことを考えてくれてたんだ。
何て言ったらいいのか分からないこの気持ち。
どうしようもなく………愛しい。
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