愛してよダーリン
夏休み明けには樹が戻ってくることを突然知ったから、あたしはまだ信じられないでいた。
だけど、樹は全部詳しく話してくれた。
ほんとは最初独り暮らしするって親に言ったんだけど、
親にはまだ高校生になったばかりで独り暮らしできるわけない、と言われて反対されたらしい。
だけど条件があって、夏休みまでに20万円近く貯めることができれば、
夏休み明けから独り暮らししてもいいと言われた、と。
実は引っ越した次の日からバイトは始めていたらしい。
だから夏休み明けに入る給料を合わせれば、20万円近くいくらしい。
バイトの給料は交通費にしか使わないで、あとは1円も使わなかったのを聞くと、樹の本気さがすごく伝わった。
樹は樹なりにあたしのことを考えてくれてて、あたしはこれからもずっと感謝しなきゃいけないなって改めて感じた。
あまり言葉では“好き”と言ってくれないけど、
こうして態度や行動で言ってくれるから、あたしが不安になることはない。
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