愛してよダーリン




「拓海のこと……」



すると樹は顔を下に向けたままだけど口を開いた。



「拓海のこと……好きなのかよ?」


「え?!」



ちょっと、いきなり口開いたと思ったら、何を聞いてくるのこの人は。



あたしが好きなのは………樹なのに。




そんな言葉、樹だけには言われたくなかった。



今まで樹だけを見てきたから。



気付けば樹のことを考えてて、他の女の子と樹の噂を聞くたびに不安になって泣いてた。



少しでも話せた日は嬉しくて、家に帰ってからもテンションが下がらなくて、


他の女の子と歩いてるところを見た日は悲しくて、家に帰ってからずっと考えてしまってた。



どうしたらいいのか分からないこの気持ちを、今すぐにでも伝えたい。



君に……伝えたい。



だけど幼なじみだから、この特別な関係を壊したくもない。



だから今はやっぱり伝えられない。




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