愛してよダーリン
「聞いてんのか、聞いてないのかだけでも言えよ」
「……」
「無視すんな」
「……」
「返事だけでいいから」
「……」
ずっと下を向いて何も言わないあたしに、怒りもせずに1人で話し続ける優しい樹。
普段じゃ考えられない。
あたしが樹を無視することがまずありえないことだけど、
樹の言葉を無視するあたしに怒りもせず、むしろ優しく話してくれる樹もありえない。
やっぱり夢だからだろうか。
いつものあたしたちと違うのは。
「どうせ信じられねぇんだろ?」
「……」
「今まで幼なじみやってきて、今さら告白とかありえねぇって思ってんだろ?」
「……」
「別にそんなこと覚悟してたからいいんだよ」
夢なのに、こんなにも鮮明に聞こえてくる樹の………切ない声。
その声で発せられる言葉たちは、まるであたしの言葉のようで。
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