愛してよダーリン
今まで幼なじみだったから、今さら樹に告白できないって思ってた。
樹に告白したって、信じてくれないだろうって思ってた。
だから、告白するつもりはなかった。
違う、そうじゃない。
告白できなかった。
ふと………頬をつねってみた。
夢の中なら痛くないはずなのに………強くつねりすぎてとても痛く感じた。
公園の時計を見る。
公園で遊んでる子どもたちを見る。
隣に座る………樹を見る。
周りのそれら全てがはっきりと見えて、時間が狂いもなくしっかりと進んでることが分かる。
それは紛れもない、夢の中なんかじゃなくて、現実だという証拠。
樹があたしを好きだと言ってくれている、幸せすぎる現実。
「夢じゃ……ない?」
早く夢じゃないのか確認したくて、どんな言葉よりも先にそんなことを言ってしまった。
「夢なわけねぇだろ。バカか」
樹の口調が悪くなるところも、夢じゃないんだって分からせてくれる。
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