喜怒哀楽ー涙をこらえてー
「ん~っ
残念だな~!
帰っちゃうんだ?」

その人のテンションは
本当にヤバいくらい
高すぎた。

「帰ります。
あの、これ…」


美海は手の中にある
薬を返そうとした。

「君にプレゼントするよ! まあ欲しくなったら
俺のとこにおいでね!」

その人はそう言うと
人混みの中に
消えていった。

ヤンキーっぽい人が
見えなくなった
瞬間…

美海は走り出した。
この人が多い町から
抜け出すように。


ハァ ハァ

美海走ったの
何年ぶりだろ…。

美海はもう1回
手の中にある薬をみた。

どうしよう…
誰にも
見つからないように
海に捨てちゃおうかな…

うん。
そうしよう。

美海は薬を
鞄の中に入れた。

海まで距離は
少しだった。

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