いばら姫



「へ 変じゃないか聞いたのに…」


「…教えて欲しい? 」



俺は、アズの手を引いて
ひと気の無い
昇降口から少し入った
職員室前の廊下まで、連れて行った


「…淳 ? 」


「…聞いてみ 」



俺は学ランのボタンを外して
アズの耳を心臓に押し付ける



「…大丈夫かって位、速いだろ」



「…… う ん 」





―――― 足音がして
アズはパッと俺から離れた

「…た 体育館、行かないと」








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