いばら姫
俺はベンチに座って
白い息
アズはロケットの窓に
腰を降ろし、
灰谷は砂場に倒れ込み
大の字になって
黒い夜空を見上げる
『……こいつ…
ロケットの形なのに
宇宙に行けない事、
どう思ってるんだろう… 』
――― 突然 灰谷が
そんな事を呟いた
俺はそれに何も言わなかったし
アズは灰谷の横に行き
同じ様に、大の字になったけど
結局その問いに答える事は無く
一緒になって
夜を見つめていた ――――