いばら姫




「…二人共、
そろそろ起きろよ
マジで風邪ひくから 」


アズと灰谷を起こそうと
二人の間に立ち
手を両方差し出したら

腕を同時に引っ張られて
俺も砂場にひっくり返ってしまった




「…おまえら…
本当に似た者同士だな…」


灰谷は
喉をあげて笑うし
アズは俺の腕の横で
俯きながら笑う


―――― 頭上には

見上げる 銀のロケット





「……… 灰谷

このロケット 飛ぶかもしれないぞ 」


『……え ? 』


その言葉に

アズも目を見開いて、俺に顔を向けた







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